変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症の女性

変形性膝関節症は特に高齢の場合、関節軟骨の退行変性による摩耗を原因とする膝痛の代表的な疾患です。
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60歳以上の方の約40%は変形性膝関節症に関する悩みを抱えているといわれます。

 

農業などの力仕事や過度なスポーツによる膝の使いすぎ、肥満、下肢のアライメント異常、下肢の筋力低下などにより、関節軟骨の変性が生じてきます。

 

変形性膝関節症の原因を詳しくみていきましょう

加齢による関節軟骨の退行変性

関節軟骨の変性

加齢によって関節軟骨に栄養を送ったり、潤滑を担う「関節滑膜細胞」が機能低下を起こすことで、軟骨の代謝や修復能力が低下して、軟骨の変性が進行することで変形性膝関節症になります。

 

さらに、関節軟骨の下支えとなる下肢の骨も、加齢による骨粗鬆症により脆くなり、歩いたり立ったりする際に荷重がかかる部分が変形したり硬くなったりして軟骨への栄養補給を阻害してしまいます。

 

肥満

太っている女性

変形性膝関節症による膝痛を訴える女性で多くみられるのが「肥満」傾向です。

 

女性の標準体重は身長155cmで52.9kg、身長160cmで56.3kgとされていますが、変形性膝関節症の高齢女性の体重は、これらの標準体重を10kg以上大幅に超えている場合が多いとされます。

 

足腰の筋力低下

腰の筋力低下を感じる男性

足の筋力低下
大腿四頭筋の筋力低下

膝を伸ばして支える筋肉ですが、肥満によって重くなった体重を歩きながら支える機能が低下することで、代償的に膝の外側に負荷をかけて安定性を保とうとします。これにより、歩行時に膝を伸ばして体重を支える瞬間に、膝が外側にスライドするように動揺する外側スラストという現象が起こります。

 

外側スラストは、膝の外側に位置する外側側副靱帯や大腿二頭筋、外側広筋、腸脛靱帯などに過度な負荷やストレスを与えることになり、歩くと膝の外側に痛みを感じるようになります。

 

この症状は、特に変形性膝関節症の初期症状としてみられます。

 

腹筋の筋力低下

肥満による腰回りの脂肪増加に加えて、それを支える腹筋群の筋力低下により、日常的に腰椎が前方に弯曲する姿勢をとりやすくなります。

 

この影響で、腰の痛みを感じるようになり、腰をかがめて膝を軽く曲げることで痛みを緩和しようとするため、膝を曲げる回数が激増します。

 

変形性膝関節症の症状の一つである「屈曲拘縮(膝が曲がって伸びなくなる)」を助長することになり、膝が曲がることで股関節も伸ばしにくくなるため、さらに大腿四頭筋の筋力低下を招くことになります。

 

変形性膝関節症の痛みの症状を詳しくみてみましょう

筋力低下の高齢女性

初期〜中期の痛み

レントゲンなどで膝関節の変形を認めても、初期はほとんど無症候性であるといわれます。徐々に、関節軟骨の変形が進行することで、膝痛が伴ってきますが、初期症状としては体重をかけたときの「膝の外側の痛み」があり、その後、中期に移行し下肢のO脚(内反変形)が進行することで「膝の内側の痛み」が強くなってきます。

初期:膝の外側が痛む原因

大腿四頭筋の筋力低下をかばい、膝の安定性を外側の筋肉や靱帯を無理に使って得ようとするため。外側側副靱帯や腸脛靱帯にストレスが掛かり痛みが伴います。

中期:膝の内側が痛む原因

外側の靱帯が緩んで伸張しやすくなってしまうことで、内側の関節裂隙(骨と骨のすき間)が狭くなり、内側の関節軟骨や半月板の摩耗や断裂が起こります。これにより、今度は膝の内側に強い痛みを感じるようになります。

 

進行期の痛み

変形性膝関節症が進行し、膝の屈曲拘縮(曲がったままで伸びなくなる)が出現すると、膝の後ろにあるハムストリングスや腓腹筋が膝を支えるために代償的に緊張状態をつくるようになります。歩くたびに膝裏にストレスをかけることになり、膝裏の脛部分や太もも部分にも痛みを感じるようになります。